歯がしみる本当の原因はむし歯ではありません、原因別の対処法|院長コラム — ソウルBD歯科

歯がしみるのは成人 3人に1人、原因によって対処法が異なります

診療の話 2026年6月14日 ムン・ソクジュン院長 監修 韓国語原文から翻訳
ムン・ソクジュン院長
ムン・ソクジュン院長
代表院長
ソウルBD歯科
歯がしみるのは成人 3人に1人、原因によって対処法が異なります

歯がしみるのは成人 3人に1人、原因によって対処法が異なります

先週、診療室に40代前半の患者さまがしみる症状で来院されました。「院長先生、冷たい水を飲むたびに歯がキーンとします。むし歯みたいです。知覚過敏用の歯みがき粉を使ってもあまり効きません。」患者さまはむし歯だと確信しておられました。検診の結果、むし歯ではなく、歯ぐきが下がって歯の根元が露出していることが原因でした。患者さまは驚いて「むし歯ではないのですか?」と尋ねられました。結論から申し上げると、歯がしみる原因は、むし歯以外のことのほうが多いのです。そして原因によって対処法はまったく異なります。当院の診療でも珍しくないパターンです。

お忙しい方向けに要点から書きます。第一に、歯がしみる症状がどれほど一般的か、そして本当の原因は何か。第二に、しみる症状の6つの原因とそれぞれの対処法。第三に、知覚過敏用の歯みがき粉が効く場合と、それだけでは不十分な場合を見分ける基準です.

歯がしみる(象牙質知覚過敏): 冷たい水、甘い食べ物、冷たい空気などの刺激で、歯が短く鋭くしみたりピリッとする症状。歯の表面の内側にある象牙質が露出し、その中の微細な通路が神経を刺激すると起こります。むし歯とは別の原因です。

歯がしみるのは、そんなによくあることなのでしょうか?

まず最初にお伝えしたい点です。

データを根拠にお話しします。65本の論文・77件の研究をまとめたメタ分析では、歯がしみる(象牙質知覚過敏)の有病率は**最良推定 11.5%、全体平均 33.5%**でした 1. 測定方法によって差は大きいものの、平均的には 成人 約 3人に1人が何らかのしみる症状を経験します。特に若い成人でより一般的です。

鏡の前で「どうして自分だけ歯がしみるのだろう」と心配されるその症状は、とてもよくあることです。そして多くは、むし歯のような深刻な問題ではなく、歯の表面の象牙質が露出していることが原因です。

ここで通念と実際が分かれます。「歯がしみたらむし歯」という思い込みは、半分も当たりません。 歯がしみる最も一般的な原因は、むし歯ではなく象牙質の露出です。 むし歯でもしみることはありますが、歯ぐきの後退や歯の表面の摩耗で象牙質が露出してしみるケースのほうがずっと多いのです。

要点はひとつです。 歯がしみるときに最も多い原因はむし歯ではなく、歯の表面の内側にある象牙質が露出し、その中の微細な通路が神経を刺激することです。

歯がしみるのは成人 3人に1人、原因によって対処法が異なります
ソウルBD歯科 院長コラム · 内容の理解を助けるイラストです

なぜ象牙質が露出するとしみるのでしょうか?

ここをご理解いただくと、解決法がはっきりします。

歯は、外側の硬いエナメル質と、その内側の象牙質でできています。象牙質の中には神経につながる微細な通路(象牙細管)が無数にあります。ふだんはエナメル質と歯ぐきがこの象牙質を覆って保護しています。

ところが、エナメル質がすり減ったり歯ぐきが下がって象牙質が露出すると、これらの微細な通路が外にむき出しになります。冷たい水・甘い食べ物・冷たい空気がこの通路を通って内側の神経を刺激すると、短く鋭いしみる感じが生じます。つまり、 しみる症状は、露出した象牙細管を通じて刺激が神経に直接伝わることです。

解決の原理もここから導かれます。しみる症状を減らすには、この露出した通路を封鎖するか、神経が刺激に鈍感になるようにすればよいのです。だからこそ、知覚過敏用の歯みがき粉には通路をふさぐ成分(フッ素、硝酸カリウムなど)が配合されています。

歯がしみる6つの原因と対処法

当院で、しみる原因を見極める際に確認する6項目です。原因ごとに対処法は異なります。

原因どう起こるか対処法
歯ぐきの後退歯ぐきが下がり、歯の根元が露出歯ぐきのケア、重症なら歯肉移植術(19回参照)
歯の表面の摩耗強いブラッシング、硬い歯ブラシやわらかい歯ブラシ、正しいブラッシング法
酸性の食生活炭酸飲料・かんきつ類によるエナメル質の侵食酸性飲料を控える、飲んだ後は水で口をすすぐ
歯ぎしり・食いしばり歯の表面の微細なひび・摩耗ナイトガード(歯ぎしり装置)
むし歯エナメル質に穴があき、象牙質が露出むし歯の治療
ホワイトニング・スケーリング後一時的な象牙質刺激多くは一時的。知覚過敏用歯みがき粉(35回参照)

この表で患者さまにお伝えしたい要点はシンプルです。 しみる症状(知覚過敏)は原因によって対処法がまったく異なります。 歯ぐきの退縮が原因なら歯ぐきのケアを、力の入りすぎたブラッシングが原因ならみがき方を見直し、むし歯が原因なら治療が必要です。だからこそ、知覚過敏用歯みがき粉だけでは解決しない場合があるのです.

この点はご安心ください。患者さまが「歯がしみるのは自分の磨き方が悪いせいだ」とご自分を責める必要はありません。歯ぐきの退縮、酸性の飲食、歯ぎしりなど、原因の一部は患者さまのコントロールが難しいものです。そして、しみる症状の多くは深刻な病気ではなく、適切なケアで改善していきます。

知覚過敏用歯みがき粉は、本当に効果がありますか?

当院でよくいただくご質問です。

知覚過敏用歯みがき粉には効果があります。主に2つの仕組みで働きます。

  1. 通路を塞ぐ — フッ素、リン酸カルシウムなどが露出した象牙細管を物理的に封鎖し、刺激が神経へ伝わらないようにします。
  2. 神経の反応を鈍らせる — 硝酸カリウムが神経の感受性を下げ、刺激に反応しにくくします。

ただし、知覚過敏用歯みがき粉には2つの限界があります。

第一に、 効果が現れるまで時間がかかります。 通常は2~4週間、継続して使って初めて効果を実感できます。数日使って効果がないからとやめてしまわないでください。

第二に、 原因そのものは解決できません。 知覚過敏用歯みがき粉は症状を和らげるものであり、歯ぐきの退縮やむし歯といった原因を治すものではありません。原因が進行している場合、歯みがき粉だけでは限界があります。

当院で患者さまにお伝えしている答えはこうです。 知覚過敏用歯みがき粉を2~4週間続けても効果がない、あるいはしみる症状が強くなる場合は、歯みがき粉では解決できない原因があるサインです。 この場合は、診療室で原因を確認しましょう。

続けてもう一つお伝えします。 知覚過敏用歯みがき粉は症状を和らげますが、原因を治療することはできません。2~4週間続けても改善しない場合は、診療室で原因を調べる必要があります。

診療室ではどのように治療しますか?

歯みがき粉で改善しない場合は、診療室で次のような方法を行います。

診療室でのしみる症状の治療を分析したネットワーク・メタアナリシスでは、複数の方法に有効性が示されています 2。主な方法は次のとおりです。

  1. 物理的に通路を塞ぐ — 露出した象牙細管に特殊材料を塗布して封鎖します。
  2. 化学的に通路を塞ぐ — フッ素バーニッシュやシュウ酸などを塗り、象牙細管の通り道を封鎖します.
  3. 神経の感度を下げる — 硝酸カリウムなどで神経の感受性を下げます.
  4. レーザー治療 — 象牙細管を封鎖したり、神経の反応を和らげます.
  5. 歯肉移植術 — 歯肉退縮が原因なら、露出した歯根を歯肉で覆います(19編参照).
  6. むし歯・亀裂の治療 — 原因がむし歯や亀裂であれば、そのものを直接治療します.

どの方法が患者様に合うかは、しみる症状の原因によって決まります。原因を正確に診断することが治療の第一歩です.

こんな歯のしみる症状は受診が必要です

当院で患者様に事前にお伝えしている目安です.

一般的なしみる症状(セルフケアで改善):

  1. 冷たい水や甘いものに、短く鋭くしみる感じ
  2. 刺激がなくなるとすぐにおさまる
  3. 特定の歯ではなく、複数の歯に広く現れる

受診が必要なサイン:

  1. 何もしていなくてもズキズキ痛む
  2. 特定の1本だけが際立って強く痛む場合(むし歯・亀裂の可能性)
  3. 熱いものにしみる場合(神経の問題の可能性)
  4. しみる症状がだんだん強くなる場合
  5. しみ止め歯みがき粉を2~4週間使っても効果がない場合

特に 熱いものでしみる、または何もしなくても痛む場合は単なる知覚過敏ではなく、神経に問題が生じているサインかもしれません。この場合は神経治療(根管治療)が必要になることがありますので、早めに受診してください.

当院の症例2例

40代前半の女性患者様。複数の歯が冷たい水でしみるため、むし歯を心配して受診されました。検査の結果、むし歯ではなく、強いブラッシング習慣により歯の表面が摩耗し、歯肉がわずかに退縮していたことが原因でした。やわらかい歯ブラシと正しい磨き方に変え、しみ止め歯みがき粉を使用したところ、1か月で症状が大きく軽減しました. むし歯ではなく、ブラッシング方法を見直すことが解決の鍵でした.

50代前半の男性患者様。1本の歯が熱いもので特にしみるとのことで受診されました。一般的な知覚過敏と異なり、熱刺激に反応し、何もしていなくてもズキズキする状態でした。検査の結果、その歯の深いむし歯が神経まで進行していました。神経治療(根管治療)が必要なケースでした. 一般的な知覚過敏と神経の問題では、症状の現れ方が異なります.

患者様にぜひ覚えていただきたい5つのポイント

  1. 歯がしみるのは、成人の約3人に1人が経験する一般的な症状です。患者様だけのことではありません.
  2. 最も多い原因は、むし歯ではなく象牙質の露出です。歯肉退縮、歯の摩耗、酸性の食習慣が主な要因です.
  3. 原因によって解決法はまったく異なります. 歯肉退縮なら歯肉のケア、強すぎるブラッシングなら磨き方の見直し、むし歯なら治療です.
  4. しみ止め歯みがき粉は有効ですが、2~4週間継続して使う必要があり、原因そのものを治療するものではありません. 2~4週間使っても改善しない場合は、受診して原因を特定しましょう.
  5. 熱いものでしみる、または何もしなくても痛む場合は、単なる知覚過敏ではありません. 神経の問題の可能性がありますので、早めに受診してください。

ソウルBD歯科のムン・ソクジュン(文錫俊)院長です。患者さまが冷たい水で歯がしみるときに、むやみにむし歯だけを心配するのではなく、本当の原因を見極め、適切な解決法を選んでいただけるようにと書きました。しみる症状はよくあるもので、たいていはケアで改善しますが、原因を知ってこそきちんと解決できます。

参考論文 2本

参考文献

この記事の医学的主張は以下の論文に基づいています。DOIをクリックすると原文に移動します。

  1. 1
    Favaro Zeola L, Soares PV, Cunha-Cruz J2019 Journal of Dentistry DOI: 10.1016/j.jdent.2018.12.015
  2. 2
    Lin PY, Cheng YW, Chu CY, Chien KL, Lin CP, Tu YK2013 Journal of Clinical Periodontology DOI: 10.1111/jcpe.12011
ムン・ソクジュン院長
Written by
ムン・ソクジュン院長
代表院長
ソウルBD歯科 · 忠清南道 天安市西北区プルダン34ギル14

他のコラムもご覧ください

むし歯は治療してはいけない?先延ばしにしてよい場合・いけない場合
むし歯は治療してはいけない?先延ばしにしてよい場合・いけない場合
ムン・ソクジュン院長 · 8月12日
セカンドオピニオンは、いつ必要でどう受けますか
セカンドオピニオンは、いつ必要でどう受けますか
ムン・ソクジュン院長 · 8月11日
歯のホワイトニング、後悔していますか? なぜ起きるのか、どう対処すべきか
歯のホワイトニング、後悔していますか? なぜ起きるのか、どう対処すべきか
ムン・ソクジュン院長 · 8月10日
天安(チョナン)の歯科選び、どこを選ぶかの基準をお伝えします
天安(チョナン)の歯科選び、どこを選ぶかの基準をお伝えします
ムン・ソクジュン院長 · 8月9日
矯正はやめたほうがいい、本当に正しいのでしょうか?
矯正はやめたほうがいい、本当に正しいのでしょうか?
ムン・ソクジュン院長 · 8月8日

ご案内

ソウルBD歯科 ホーム 診療案内 料金案内 日本からのアクセス 韓国語原文