インプラント手術後の出血は何日? ガーゼ30分の原則と危険サイン|院長コラム — ソウルBD歯科

インプラント手術後の出血、異常なのでしょうか?

診療の話 2026年5月7日 ムン・ソクジュン院長 監修 韓国語原文から翻訳
ムン・ソクジュン院長
ムン・ソクジュン院長
代表院長
ソウルBD歯科
インプラント手術後の出血、異常なのでしょうか?

インプラント手術後の出血で、最もよくある失敗はガーゼを頻繁に交換してしまうことです

先週の土曜深夜1時、60代後半の男性の患者さまから慌てたお電話がありました。インプラント手術を受けられたその日の夜、ガーゼを外したところ唾液に血が混じり続けるとのことでした。「院長先生、これ救急に行くべきでしょうか?」結論から申し上げると、行かなくて大丈夫でした。唾液に血が混じるのは翌日まででも正常の範囲です。ただ、こうした深夜のお電話は月に二、三回はいただきます。

お忙しい方のために要点から書きます。第一に、どこまでが正常な出血で、どこからが危険サインかの見分け方。第二に、出血があるときにご自宅で患者さまご自身ができる応急処置。第三に、日常服用しているお薬(降圧薬・心臓の薬など)が出血に与える影響と、それでもインプラントが可能な理由です。

インプラント手術後の出血: インプラント(人工歯根)を歯ぐきと骨に埋入する際、切開された小さな血管から血がにじむ自然な現象です。通常は初日が最も多く、24時間以内にほぼ止まります。唾液に血が混じる程度なら2~3日目まで正常です.

インプラント手術後、出血は何日くらいまでが正常ですか?

よくいただくご質問ですので、結論からお伝えします。

積極的な出血は通常30~60分以内に止まります。診療室でお渡ししたガーゼを30分ほどしっかり噛んでいただくと、その間に血栓(血が固まってできる栓)が形成されます。これが自然の縫合のような役割をします。

その後は次のパターンが正常です。

  1. 手術当日の夜: 唾液が淡いピンク色に染まります。枕に点々とした血の跡が付くことがあります。
  2. 翌日: 唾液にときどき血が混じります。歯みがきのときに少し多めに付くことがあります。
  3. 2~3日目: ほとんど血は見えません。歯みがきの際に、縫合糸の周りだけうっすらにじむことがあります。
  4. 4日以降: 出血は見られません。見える場合は正常ではありません。

ここで通念と実際が分かれます。「手術後に血が見えたら無条件に大ごとだ」という考え方は、半分だけ正しいのです。 手術後24時間以内に唾液に血が混じるのは正常で、4日以降に新たに始まる出血のほうが危険です。タイミングが核心です。

インプラント手術後の出血、異常なのでしょうか?
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自宅で出血が止まらないときはどうすればよいですか?

当院の診療室で患者さまにお伝えしている順序どおりに書きます。この順番が大切です。

  1. 座っていてください。横になると頭部への血流が増えて出血が長引きます。背もたれのある椅子にまっすぐ座るのが最適です。
  2. ガーゼを厚めに折り、出血部位に直接当てて30分間しっかり噛んでください。このときは時計で30分を計ってください。5分ごとに外して確認してはいけません。せっかくできかけた血栓がはがれてしまいます。
  3. 30分後も積極的な出血が続く場合は、同じ方法でさらに30分噛んでください。一度に一時間まではご自宅でお試しいただけます。
  4. それでも止まらなければティーバッグを使用してください。紅茶や緑茶のティーバッグをぬるま湯で軽く湿らせ、ガーゼで包んでから出血部位で30分噛んでください。お茶に含まれるタンニン酸が血管を収縮させ、血栓形成を助けると英国歯科ジャーナルに報告されています 1. ただし、あくまで補助的な手段であり、一時間以上積極的な出血が止まらない場合は、診療室または救急外来にお越しください。

要点は一つです。 インプラント手術後の出血で最も多い誤りはガーゼを頻繁に取り替えてしまうこと、そして最も効果的な処置は同じ場所で30分間しっかり圧迫することです。

絶対にしてはいけない6つのこと

出血を悪化させる行動です。上の応急処置よりも、こちらのほうが重要になることがあります.

  1. ストローの使用— 吸うと口腔内に陰圧がかかり、できたばかりの血栓がはがれます。一週間はストロー禁止です.
  2. 強くすすぐ・吐く・うがい— 理由は同じです。手術当日はうがいはせず、翌日からぬるめの塩水でやさしくすすいでください.
  3. 喫煙— 一酸化炭素が治癒を遅らせ、吸う動作自体が血栓をはがします.
  4. 飲酒— 血管が拡張して出血が再燃します。処方薬との相互作用も危険です.
  5. 運動・サウナ・熱いシャワー— 血圧が上がり、出血が再発します。最初の3日間は避けてください.
  6. 手術部位を舌や指で触ること— 無意識にやりがちですが、縫合糸が緩んでしまいます.

唾液に血? vs 口の中に血? — 患者さまが混同しやすい区別

比較項目 正常 出血リスク 出血
様子唾液にピンク色、または時々赤い筋が混じる口の中に濃い血がたまり続ける
時期手術後0~24時間が最も多く、2~3日までは血の混じりが続くことがあります4日以降に新たに始まる、または次第に強くなる
ガーゼで30分圧迫後止まるか、著しく減る変化がない、またはガーゼが再び真っ赤に染まる
随伴症状なし、または軽い鈍い痛み痛みが再び強くなる、腫れが再び増す、発熱、膿のにおい
対応そのまま経過観察その日のうちに診療室へ連絡、または救急外来へ

特に4日以降に新たに始まる出血は、単なる出血ではなく 手術部位の感染縫合糸のゆるみのサインである可能性があります。この場合は、ガーゼをかむよりも早く診療室にご連絡いただくのが正解です.

血圧の薬・心臓の薬を飲んでいますが、インプラントは可能ですか?

当院でも本当によくいただくご質問です。結論から申し上げると、ほとんどの方で可能です.

2025年に発表された系統的文献レビューおよびメタ解析では、抗血栓薬を服用中の患者さまのインプラント手術後の出血リスクは、非服用群と比べて約4.5倍高いものの(相対リスク 4.47)、すべての出血は診療室でのガーゼ圧迫・縫合・局所止血剤といった簡単な処置でコントロールされ、救急での入院や輸血を要した症例は報告されていませんでした2.

ただし、次の点は受診前に必ずお知らせください.

  1. ワルファリン(クマディン)服用中 — 出血リスクが最も高い薬です。手術前にINR値の確認が必要です。
  2. アスピリン・クロピドグレル服用中 — 単剤での服用はインプラントに大きな影響はありませんが、2剤を併用すると出血が増えます。
  3. リバーロキサバン・ダビガトランなどの新規経口抗凝固薬(NOAC/DOAC)服用中 — 薬剤の種類と最終服用時刻に応じて、手術時間の調整が必要になる場合があります。

ここで大切なお知らせを一つお伝えします。患者様ご自身の判断でお薬を中止してはいけません。これらの薬を急にやめると、出血リスクよりも脳卒中や心筋梗塞のリスクの方がはるかに高くなります。処方した内科・循環器内科の主治医の先生に相談せずに中止しないでください。当院でも、この点は患者様の主治医の先生と相談のうえで決定します。

当院の症例の一例

70代前半の女性患者様。ワルファリンを5年以上服用中でした。別の病院で「出血リスクが高すぎてインプラントは難しい」と言われ、1年先延ばしにされていました。INR値を確認したところ安定範囲内でした。主治医の先生と相談のうえ、お薬はそのまま継続して手術を行い、手術直後はガーゼ圧迫を30分と吸収性止血剤で出血はきれいに止まりました。その後の1週間の経過観察でも追加の出血はありませんでした。お薬を飲んでいるという理由だけでインプラントをあきらめる必要はありません。

患者様に必ず覚えておいてほしい5つ

  1. 手術後24時間以内に唾液に血が混じるのは正常、 4日以降に新たに始まる出血が本当の危険サインです。
  2. 出血が止まらない場合は、ガーゼを頻繁に替えず、同じ場所で30分しっかり噛みしめてください。頻繁に外すと、そのたびに血餅が剥がれてしまいます。
  3. ストローの使用・喫煙・強いうがいは、出血を再発させる3大行為です。1週間は我慢してください。
  4. 血圧の薬や心臓の薬を飲んでいるからといって、インプラントをあきらめる必要はありません。ただし、処方医と相談せずに自己判断で中止しないでください。
  5. 4日以降に新たに出血が始まる、あるいは発熱・膿を伴う場合は、その日のうちにご連絡ください。先延ばしにするのが最も危険です。

ソウルBD歯科 ムン・ソクジュン(文錫俊)院長です。患者様が真夜中に鏡の前でお一人で不安に怯えることがありませんように、という思いで書きました。

参考論文 2本

参考文献

この記事の医学的主張は以下の論文に基づいています。DOIをクリックすると原文に移動します。

  1. 1
    Chan M, Grossman S2021 British Dental Journal DOI: 10.1038/s41415-021-3687-3
  2. 2
    Fathi W et al.2025 Cureus DOI: 10.7759/cureus.98639
ムン・ソクジュン院長
Written by
ムン・ソクジュン院長
代表院長
ソウルBD歯科 · 忠清南道 天安市西北区プルダン34ギル14

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